大学を卒業して小さな食品メーカーに就職した俺は会社から郵送されてきた新神戸行きの新幹線のチケットを握りしめて東京駅に来ていた。






3月31日の東京駅は俺のようなスーツにスポーツバックという社会人になりきれていない新卒者でごった返していた。






博多行きの新幹線にたどり着くとすでに男子1人と女子2人がホームに立っていた。






同じ位のタイミングで同期の男子1人も着いたので東京組の同期5人が揃った。






会社説明会から気になっていた三枝綾子に視線を送ってみた。






可愛い笑顔で『よろしくね!』と言ってくれて俺は思わず舞い上がってしまった。






新幹線の中は女子がお菓子を分けてくれたりして修学旅行にでも行く感じで和やかな雰囲気だった。







次の日は入社式をして業務内容の説明から研修はスタートした。







研修は1週間で夜は神戸の街で飲み食いをしてビジネスホテルに帰るのが日課になっていた。






すっかり同期と気心が知れてきた4日目にラッキーなチャンスが訪れた。







居酒屋やみんなで飲んだのにビジネスホテルに戻ってもまだ飲み足らなくて1階下の女子の部屋がある4階にビールを買いにいった。







すると自販機に向かって綾子が歩いてきた。








『まだ飲むの?』







からかうような口調で綾子が俺に言った。









『もう少し飲みたくてね…。良かったら一緒に飲む?』









『えっ!!うん…いいよ。』






『非常階段で飲まない?夜風が気持ちいいよ!』







特に下心があるわけではなかった。
二人だけで普通に飲めたらいいなとこの時は思っただけだった。






つづく




黒川健吾:22歳
三枝綾子:22歳

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